「本物のMA-1」の特徴|タグの番号とディティールでの見分け方
MA-1は秋冬のアウターの中ではもはや定番となっている人気の商品です。
男性はもちろん女性人気も高く、市場に出ているMA-1の中にはMA-1の形を似せて作った偽物のMA-1が多くあります。
しかし、せっかくMA-1を手に入れるなら、安っぽくない本物がいい!という方も多いでしょう。
では、いったい本物のMA-1とはどんなものなのでしょうか?
この記事では、MA-1の背景と本物のMA-1の見分け方を紹介します。
是非、本物のMA-1の見分け方を知って、上質なMA-1を手に入れてくださいね。
目次 [ 非表示]
そもそもMA-1って何?MA-1が生まれた背景
MA-1はミリタリージャケットの一つで、1954年に登場したアメリカ空軍のナイロン製フライトジャケットです。
ジェット機の開発に伴い、高度上空の寒さにも耐えられて、動きやすくジャケットが必要になり、開発されました。
当時は、フライトジャケットは革製のものが多かったところをナイロン製にしたことで動きやすさを実現し、中綿を入れることで-10度でも耐えられる防寒性を実現しました。
現在ではMA-1はフライト用ではなく、公安警察、基地の整備要員、通信網の修理要員などの、地上クルーに支給されています。
本物以外にも共通するMA-1の基本的な特徴3つ
①きわめてシンプルなデザイン
本物でも偽物でもおおよそ変わらない特徴として、MA-1のシンプルなデザインが挙げられます。
MA-1はポケット等のパーツが少なく、とてもシンプルな見た目をしています。
これは、もともと狭い軍用機内でレバーなどに引っかからないように、必要最低限まで機能をそぎ落とした結果できたデザインです。
ミリタリージャケットというと、ごつごつした男らしさ満点のデザインを想像する方も多いと思いますが、それに対してMA-1はツルンとして、女性でも着やすいデザインであるのが特徴です。
②動きやすいシルエットと素材
MA-1のシルエットといえば、胴体・袖どちらも太目なのが特徴です。
この太目のシルエットが窮屈さがない上、表面はつるつる・サラサラとしているため摩擦が少なく、大変動きやすくなっています。
さらに、首元・袖・裾はしっかりとリブがあるため、ビッグシルエットでもダラっとなったり、手元を邪魔したりすることもありません。
こうしたシルエットは見た目にもカジュアルながらメリハリのある印象を与えるのが人気の理由の一つでしょう。
③真冬でも耐えられる防寒性・保温性
本物であれば、-10度にも耐えられるほどの防寒性です。
偽物ならそこまでの防寒性はないかもしれませんが、中綿が入っている限りダウンと同等の暖かさがあります。
タグで分かる本物のMA-1の見分け方4つ
(1) MIL-SPECの記載がある
本物のMA-1は米国政府との契約により、納入を目的として、製品仕様(MIL-SPEC)に基づいて製造された製品となります。
ですので、本物のMA-1には以下のうちのどれかの記載が必ずあります。
- MIL-J-8279
- MIL-J-8279 A
- MIL-J-8279 B
- MIL-J-8279 C
- MIL-J-8279 D
- MIL-J-8279 E
- MIL-J-8279 F
この7つはそれぞれ年代を重ねるごとにデザイン・機能面で少しずつ改善が加えられているため、本物のMA-1でも少しずつ違いがあります。
(2)DSA~、DLA~などの米国政府の契約番号が描かれたもの
また、MIL番号に続き、本物のMA-1には製品ラベルに米国政府の契約番号(DSA~や、DLA~で始まる番号)が記載されています。
MIL番号がすれて見えにくくなっている場合もあるので、基本的にはこのMIL番号と契約番号があれば本物と判断してよいです。
(3)MADE IN U.S.Aの記載は無い
本物のMA-1はアメリカ製ですが、MADE IN U.S.Aという記載は無いです。
MADE IN U.S.Aの記載があれば、偽物またはレプリカと判断できます。
(4)本物のMA-1のメーカーはアルファインダストリーズが多い
本物のMA-1はアルファインダストリーズという会社から出ている場合が多いです。
ただし、あとでも説明しますが、同じ会社がレプリカを出していたりもしますし、ほかの会社であっても本物のMA-1を作っていたことはあるようなので、ここだけで判断はできません。
ディティールで分かる本物のMA-1の特徴7つ
基本的には本物のMA-1かどうかはタグを見ればわかります。
ただし、タグが消えてしまってる場合もあります。
そのような場合はディティールを見てみましょう。
また、偽物の場合はディティールを本物から少しずつ変えられている場合がありますが、本物であれば以下の点は基本的には外れません。
- ボタン付きの斜めポケットが2つ
- 左の二の腕にポケット
- 中綿が入っている
- アウターシェルはセージグリーン
- 60,70年代のモデルは裏地がオレンジ、その他はグレー
- 後ろ身ごろが前より短い
- シェル(表面)はナイロン製で燃えにくい
(1)ボタン付きの斜めポケットが2つ
お腹の前の部分に斜めポケットが2つついています。
ポイントはボタン付き、というところです。
偽物は手を入れやすくするためにボタンをなくしているデザインもあるようです。
ちなみに本物のMA-1のポケットのデザインは年代により少しずつ違います。
1950~1960年代のメインポケットはボタンのみが付いており、1970年代移行のメインポケットにはフラップが付いています。
(2)左の二の腕にポケット
本物のMA-1の左の二の腕にはジッパー付きのシガレットポケットが備え付けられています。
さらに、そのポケットのペンを収納するためのケースも4つ付いています。
(3)中綿が入っている
偽物は細身のシルエットになっている物もありますが、本物は-10度にも耐えられるように作られていたため、たっぷりの中綿があります。
ちなみに中面の素材は、初期にはウール素材やコットン素材がつかわれ、やがてポリエステル系繊維が入れられるようになっているので、年代によってバラバラです。
(4)アウターシェルはセージグリーン
MA-1のカラーはブラックやネイビーも人気ですが、本物はセージグリーンのみです。
セージグリーンとはカーキよりさらに明るく、グレーがかった色のことを指します。
ただし、実際には本物のMA-1も作られた年代によって微妙に色合いに違いがあります。
また、経年変化による変色もあるため、セージグリーンの色の解釈は少し曖昧ではあります。
(5)60,70年代のモデルは裏地がオレンジ、その他はグレー
MA-1は裏地がオレンジのイメージが強いという方も多いかもしれません。
しかし、逆に作られた年代によっては裏地がグレーの物もあるので、オレンジじゃないから偽物ということはありません。
ちなみに、このオレンジ色は、パイロットが緊急脱出した際に発見しやすいカラーにしたもので、中期モデルはリバーシブルで着られるように、ファスナーもダブルジッパーになっています。
MA-1オレンジ面着用例
※写真のMA-1は本物ではありません。
(6)後ろ身ごろが前より短い
全体的に丈が短めのMA-1ですが、平置きしたときに後ろ身頃の丈が前身頃よりも短くなっているという特徴があります。
これは航空機のシートに座った際に、尻と腰の間に生地が挟み込まれないように作られた特徴です。
(7)シェル(表面)はナイロン製で燃えにくい
シェルが革製品のMA-1も売り出されているようですが、本物はすべてナイロン製です。
これは飛行中に事故があった場合でも燃えにくいように設計されているためです。
また、「 本物のMA-1は燃えない」といわれていることが多いですが、ナイロン製なので燃えないわけではないです。
ただ、ナイロンを実際に燃やしてみると「溶けてから徐々に燃え、炎を離すと燃え続けない」という特徴があるため、かなり燃えにくいといえます。
本物に近いアメリカ産のレプリカ古着もある
レプリカのMA-1は一般に市販される目的で製造された製品ですが、米国政府に納入されていた当時の製品仕様(MIL-SPEC)に基づいて復刻製造された物となります。
本物に書かれてある 「MIL-J-8279」以外の数字で「MIL-〇-○○○○」という表記があればレプリカになります。
レプリカは本物ではないですが、本物に近い品質で作られており、中には実物を越える品質の製品も多くあるといわれています。
本物にこだわらないけど、本物同等のものが欲しい、という方にはこちらもおすすめです。
また、レプリカには黒色やネイビーもあるため、セージグリーン以外のMA-1が欲しい人にもレプリカのMA-1はぴったりでしょう。
本物のMA-1はかなり希少なため、早い者勝ち
いかがでしょうか?
既にMA-1をお持ちの方はそれが本物かを確かめてくださいね。
本物が欲しい方は是非、上記の特徴から本物をゲットしてください。
本物のMA-1は日本ではミリタリーショップや古着屋で購入することができますが、かなり希少です。
気に入ったものがあれば、早いものがちですよ。
アメリカ古着の通販ショップ、RUSH OUTではMA-1を始めとしたミリタリー古着を多く取り揃えています。
大人気のため、売り切れている場合もありますが、 本物のMA-1が10,000円以内で手に入ることもありますので、是非チェックしてみてくださいね。