ハンティングジャケットの特徴・魅力・隠れブランドを古着屋がまるっと解説します!
出典:Instagram @beerindigo
最近、ハンティングジャケットやフィッシングベストが新たなファッションアイテムとして注目を集めているようです。
早速チェックしてみたのですが、あまりハンティング感がなく、キレイ目に収まってるなぁ。という印象が正直なところです。
とは言っても、昔と違って実際ハンティングに出かけるわけでもないので、今の時代に合ってるのかもしれません。
そして歴史あるハンティングアイテムをモチーフにして新しいトレンドが生み出されるということは、それだけオリジナルの魅力が強いということなのでは??
ということで、今回は「ここ100年間ほどのハンティングジャケット」をふり返ります。
“ここ100年間” としたのは、ハンティング(狩猟)のルーツを遡りつづけるとキリがないから。もう古着ではなく人類史になってしまいますからね!
目次
ハンティングジャケットとは?狩猟スタイルによって異なる仕様
ハンティングジャケットとは、その名の通り「ハンティング = 狩猟(hunting)」用に作られたジャケットのことです。
山に行くならマウンテンジャケット、軍用ならミリタリージャケット、、、これらと同じですね。
ただし、ミリタリージャケットにも空軍向けのフライトジャケット、陸軍向けのフィールドジャケットがあるように、ハンティングジャケットも、その狩猟スタイルや使用場所によってスペックやシルエットが異なります。
どんなタイプのものがあるか少しご紹介しましょう。
シューティングジャケット
同じ狩猟でも、馬に乗って猟犬とともに移動することを前提とした仕様のものがハンティング、鉄砲を担いで自分の足で野山に入っていくのがシューティングと大別されることがあるようです。
また狩猟向けのものをハンティング、ミリタリー向けのものをシューティングと分ける場合もあります。
シューティングジャケットはライフルを匍匐(ほふく)状態で構えた時の姿勢に合わせて作られており、肩や肘部分には射撃時に衝撃緩和のための大きなパッド(ガンパッチ、ショルダーパッチ)が取り付けられているのが特徴です。
出典:Instagram @raxxvintage
ハンティングウェアブランド『10-x(テンエックス)』の70年代のシューティングジャケットです。
ビンテージでは1900年代前半でも上質なものが残っているほど歴史が深いハンティングウェアは、70年代にもなるとカジュアルに着こなしやすいものが多くなってきます。
ノーフォークジャケット
出典:Instagram @teodorilab
ツイードジャケットのルーツとも言われるノーフォークジャケット。
ノーフォークジャケットの由来は、1870年代に東イングランドのノーフォーク地方の公爵が狩猟服として採用したのが始まりだと言われています。
出典:Instagram @gueterslohmarketing
ハンティングのほか、ゴルフ、乗馬、サイクリングなどの運動着として用いられてきた歴史があります。ヨーロッパらしい紳士的なカントリースポーツといったイメージですね。
フィッシングジャケット
出典:Instagram @406_carp_king
ちなみに釣りも狩猟の1つに含まれるようです。
どこで何を釣るかによってまた機能は変わってきますが、ポケットの位置や形はハンティングジャケットとは異なります。
ハンティングジャケットがダック生地のような厚手でがっしりした素材が使われることが多いのに対して、フィッシングウェアは軽量でコットン素材が多く使われています。
背中の部分がメッシュになっていたり、90年代以降はゴア・テックス素材が使われているものもあります。
出典:Instagram @smartclothingstore_harajuku
こんな風にキレイ目ストリートと合わせるのが現代風。
このまま釣りに行ってもいいですし、街へ出かけるのもアリです!!
ハンティングジャケットの特徴【古着・ビンテージの魅力はここ!】
これまでのお話で何となくわかってしまったかもしれませんが、ハンティングジャケットの特徴と魅力を改めてご紹介していきます!
ショルダーパッチ・エルボーパッチ:ハンティングらしさと言えばこれ
ライフルを肩に支えるように付けられていた「ガンパッチ」デザイン。
パッチ部分は肉厚な革製のものが多く、光沢や色褪せといったレザー独特の経年変化を楽しむことができます。
現在はそのディティールを再現しながらデザインのアクセントを付け、革製以外の素材も使われるようになりました。
寝ころんだ状態でライフルを構えるため、地面との摩擦が多いひじの部分を補強するパッチが付けられています。
また体が銃を撃ったときの衝撃を和らげるためでもあります。
ハンティング用だけでなく、カントリースポーツなどで使われるジャケット(ノーフォークジャケット由来のテーラードジャケット等)にもデザイン目的で付けられることがあります。
ゲームポケット・ガンホルダー:ハンティングポケットの使い方はアイデア次第
ゲームポケットは背面のポケットや後ろ脇のサイドポケットのことです。
捕らえた獲物や囮となる小動物・鳥を入れたり、ライフルの弾挿し用のポケットがなど、至る所に収納ポケットが付けられています。
今となっては本来の目的通りに使うことはないかと思いますが、そこは皆さんのアイデア次第といったところでしょう!
狩猟クラブのワッペン:前の持ち主のカスタマイズが楽しめる
古着のハンティングジャケットの中には、以前の持ち主によってワッペンや刺繍が施されていることがあります。
所属している狩猟クラブのロゴやシューティング大会の記念のワッペンを付けたり、イニシャルを刺繍したり、またガンパッチもお気に入りのカラーや素材でカスタムしているものもあります。
古着を手に取ると「アメリカのどこの地方でいつ頃どんな大会が開かれていたんだろう?」みたいな妄想が膨らむことがあるのですが、これが新品の洋服では味わえない感覚ですね。
アメリカ古着屋で手に入るハンティングウェアブランドを紹介します!
【初級者向け】機能性とデザインのバランス重視なら!「アウトドアウェアブランド」から選ぶ
とは言っても、あらゆるアウトドア・アクティビティはハンティングを起点に派生しているのですが・・・。
ここで紹介するのは、ハンティングウェアとしてでなく、キャンプやトレッキング、スポーツカジュアルなブランドとして幅広く知られているブランドです。
エルエルビーン(L.L.Bean)のハンティングジャケット
90年代のダック地ハンティングジャケット(レディース)。
革製のショルダーパッチではなくなりましたが、本来のモチーフを活かして両肩に当て布の補強が施されています。
エルエルビーンと言えば、アメリカでメジャーなアウトドア系ブランドとして知られていますが、はじまりはハンティングブーツでした。
創業は1991年。創設者であるL.L.Beanがメイン・ハンティング・シューズを発明したことから始まったエルエルビーン。
ハンティングとフィッシングをサポートするアイテムの開発・販売に始まり、今では「アウトドアな休日」をコンセプトに、トレッキング、カヤック、キャンプといった様々なアクティビティ体験を展開しています。
ウールリッチ(Woolrich)のハンティングパンツ(ウールパンツ)
レースアップの裾はブーツインで着用するための仕様。かなり細いデザインになっています。
ウールリッチは創業1830年のアメリカ最古のアウトドアブランド。その名の通り、創業当時は衣類や羊毛の布を供給するブランドとして活躍していました。
アウトドア古着としてはマウンテンパーカーが人気ですが、ネイティブ柄のセーターやジャケット、シャモアシャツなど、華やかでカジュアル仕様のアイテムも多いです。
【中上級者向け】ビンテージ・掘り出し物を狙うなら!「ハンティングウェアブランド」から選ぶ
続いては、知る人ぞ知るハンティングウェアブランドをご紹介します。
10-X(テンエックス)のシューティングジャケット
10-Xは「シューティングジャケット」の代名詞的な存在です。
戦前の1900年代初頭から既に上質なシューティングジャケットを輩出し続けてきました。
写真は70年代のものですが、本来の役割(狩猟・射撃)を担って大活躍していた時代のシューティングジャケットの細かいディティールを残しながら、ファッションに落とし込んめるようにしっかりと作りこまれています。
ダックスバック(Duxbak)のハンティングジャケット
ダックスバックは1904年創業の老舗アウトドアブランドで、当時の資料などは入手困難なのですが、ビンテージアイテムとしては20~30年代のものから多く残っています。
ビンテージカタログを見ていると、他のハンティングウェアブランドとのコラボレーションアイテムも頻繁に出てくることから、同業メーカーからも信頼度の高いブランドだったことがうかがえます。
希少性が高く、ハンティングウェアが好きな人以外にはあまり知られていないかもしれません。是非チェックしてみてください。
ハンティングウェアはアウトドアの起源!現代にないアイテムを古着屋RUSHOUTで!
出典:Instagram @greyfoxblog
今回は、ハンティングウェアの魅力と古着のオススメアイテムをご紹介させていただきました。
全てのアウトドアアクティビティの起源とも言えるハンティング(狩猟)。
数が多すぎるポケットも肩肘部のデカい当て布も、現代に置き換えると「個性的」「おしゃれ」で済まされるかもしてませんが、それはちょっと寂しい気もします。
現代における「スタイリッシュ」「洗練」では何となく物足りなさがある。それを埋めてくれるのが「泥臭さ」や「シンプルな強さ」を備えたハンティングアイテムではないでしょうか?
当店RUSHOUTでは、定番ブランドから貴重な隠れアイテムまで豊富に取り揃えています。
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