ビンテージスウェットの年代の見分け方|5つのディティールで分かる
ビンテージスウェットは数ある古着のアイテムの中でも最も人気のあるカテゴリです。
ビッグサイズをゆるっとラフに着ても、優等生っぽくきちんと着ても、キマるので秋~春にかけてのマストアイテムですよね。
さて、今回は「ビンテージスウェットの年代の見分け方」をお伝えします。
ビンテージスウェットをもう持っているという人も、これから欲しいと思っている人も、気に入ったビンテージスウェットの価値を知って愛着がわくこと間違いなしの知識です。
是非、自宅のクローゼットや古着屋さんにあるスウェットと照らし合わせてみてくださいね。
5つのディティールでわかるビンテージスウェットの年代の見分け方
ビンテージスウェットは5つのディティールを見ることで見分けることができます。
- リブ(裾・袖口の縦じま)
- スリーブ(袖)
- ガゼット(首周り)
- プリント方法
- フードのつき方
リブ(裾・袖口の縦じま)からわかるビンテージスウェットの年代
袖リブは長ければ長いほど古い
袖リブが10cm以上であればかなり古い40年代以前のもの
裾のリブが長いものは『はらまき』と呼ばれる事もあります。
筒状のリブはレアな50年以前のもの
多くのスウェットのリブは一枚の布を輪っかにしているので一周のうち、一箇所には縫い目があります。
この、リブに縫い目のない筒状のものは50年代以前に生産された、かなり古いレアものと言えます。
1950年代までは「吊り編み機」という機械で筒状の布が作られ、そこからリブが作られていたので、縫い目がないのです。
吊り編み機は1時間に1メートルしか編むことができないという非常に生産効率が低いものだったため、現在はほとんど使用されていません。
リブに縫い目がないことで手首へのストレスがない上に、吊り編み機で編まれた生地は、洗いこむほどに実感できるやわらかさや、独特の豊かな風合いを持っており、その特性を長期間保ちます。
ビンテージスウェットにハマる人たちを魅了している大きなポイントの一つです。
4本針縫製のリブは50年代
4本の針、6本の糸を使ったフラットシーマミシンという専用のミシンを用いて行う縫製技術です。
2本針だと平行線が2本並ぶのに対し、4本針の場合は4本の平行線とそれを行き交う糸の縫い目ができるのが特徴です。
頑丈なだけでなく、肌面の縫い目もフラットかつ滑らかで、着心地が良いのが特徴です。
スリーブ(袖)からわかるビンテージスウェットの年代
セットインスリーブは40年代以降
セットインスリーブは普通袖とも言われており、ここだけで年代を判断することは難しいです。
フリーダムスリーブやラグランスリーブと平行して生産されてきました。
身頃をほぼ垂直に裁断し、そこに袖付けをするタイプです。
フリーダムスリーブは40〜50年代のレアもの
フリーダムスリーブは、袖の切り返しが肩から脇にかけてS字状に伸びており、脇の下に縫い目のない形の袖のつき方です。
腕が動き易い様に開発されたため、着脱が簡単で着心地もとても良いですが、手間がかかったため、40年代から50年代のみにしか生産されていません。
そのラインの美しさや希少性から、市場価値が高いです。
ラグランスリーブは60年代に多い
ラグランスリーブとは、衿ぐりから脇下にかけての斜めの切り替え線をいれ、肩と一続きになった袖部分を身頃につけた袖のことを言います。
フリーダムスリーブと入れ替わるように市場に出回りました。
クリミア戦争で活躍したイギリスののラグラン将軍が考案した形の袖であることからこのような名前がついています。
戦争中の負傷者にも着脱やすいように、袖ぐりが深くゆとりがあると考えられます。
ガゼット(首周り)からわかるビンテージスウェットの年代
ガゼットは首周りの前後にある三角のディティールのことを言います。
生地の縮み防止や汗止めのために取り付けられた部位ですが、60年代頃にはコスト削減や技術向上などにより減少していきました。
両Vガゼットは40〜50年代
両Vとは首の前と後ろ、どちらにもガゼットが付いた仕様のことを言います。
ガゼットが作られた初期には両方にありましたが、そのぶん手間がかかるため、次第に前のみにつけられるようになりました。
前Vガゼットは50年代~60年代
ガゼットが前だけにつけられているタイプ。
この「両V」と「前V」が50年代の中で変遷していきましたが、具体的に前Vが使われるようになった年は不明なようです。
はめ込みガゼットは50年代まで
はめ込みガゼットとは首元のスウェット生地をV字にカットし、その部分に三角形のリブ生地を2本針縫製で貼り合わせてはめ込んだ仕様のことを言います。
このリブ編み素材は横方向へよく伸びるため、着脱が簡単になり、丈夫な作りになります。
貼り付けガゼットは50年代以降貼り付けガゼットは首元をカットせずに、上からリブ生地を4本針縫製で縫い付けた仕様です。
面から見るとはめ込み式と似ていますが、貼り付けの場合はガゼット裏もスウェット素材の裏地のままなので、見分けるには裏を見ましょう。
プリントからわかるビンテージスウェットの年代
プリントが高い位置にあるスウェットは50年代
1950年代のプリントは高い位置にあることが多いのが特徴です。
時にはガゼットと被るようにプリントされていることがあります。
フェルトのレタリングは30~40年代
まだプリント技術がなかった時代、装飾はフェルト地をカットして縫い付けられていました。
文字の縁取りは異なるフェルトの生地を重ねて表現していました。
水性プリントは40年以降
水性インクを使ったプリント。
水性のインクは生地に染み込むため「染み込みプリント」と呼ばれます。
塗料がある程度浸透するので、表面上の発色は他のものに劣りますが、洗い込むほどに色褪せにより味が出てくるので、人気のあるプリント方法です。
凹凸は無く、若干にじんだようなプリントになります。
フロッキープリントは40年代以降
フロッキープリントとは、樹脂で図柄を作り、そこに短く切った繊維を静電気で植毛していく方法です。
手間が掛かりますがプリント自体が立体的に仕上がるので存在感が強く出ます。
カレッジプリントで使われる事が多いです。
油性ラバープリントは70年以降
ゴム樹脂を使ったプリントです。
カレッジ系のスウェットに多く見られます。
基本的には刺激などに強いプリントですが、生地が伸びた時にプリントが過度の方から割れることがあります。
フードからわかるビンテージスウェット(パーカー)の年代
後付けフードは40年代
パーカーの原型となるのが後付けパーカーと呼ばれる形。
最初期に作られたパーカーのフードは、クルーネックのスウェットに後から縫い付けたものでした。
製造期間が短く、さらに乾燥機で縮んでしまっているものが多いため、現時点で当時の後付けフードのパーカーがきれいなビンテージパーカはかなり貴重となっています。
ダブルフェイスフードは50年代以降
生地が二重になっている形のフード。
セーターのような高い保温性が特徴です。
裏地はスウェット生地のタイプとサーマル生地のタイプがあります。
ビンテージスウェットの見分け方
いかがでしょうか?
ビンテージスウェットは6つのディティールからその年代を確かめることができます。
年代が自分でわかるようになればその魅力をより理解して、愛着が持てること間違いなしです。
古着通販のRUSH OUTではビンテージスウェットを数多く取り扱っています。
是非、自分だけのお気に入りのビンテージスウェットを見つけてみてくださいね。